Thought
『 私が撮影する際に一番大事にすることは、写真にCharacterを入れること、Characterのある写真を撮影すること。ポートレート撮影の場合は当然だが、物、風景を撮影する場合も同様と考える。道、壁、柱、家具には、そこを歩いた人、過ごした人の心や魂、温度、体の油が染み付き、雨風や光が当たり、様々なテキスチャーを作り出される。プラスチックの鉢よりもテラコッタの方が、光合成して苔むし、物体にcharacterが入る。そしてそれを選んだ人の感性が伝わる。
私がカラカスで写真を始めた20代の頃、師のHumbertoは写真を見ながらcharacterがある、無いと良く寸評していた。当時は80年代ということもあり、かなりモデルのポーズも誇張され、ファッションも肩パッドが入っていたり、ボタンやファスナーまで主張する時代であった。私もまだcharacterという語の意味を意識しておらず、ただ、かっこいいポーズや美しい表情を探して写真を撮っていたかの様に思える。奇をてらい、従来にないスタイルのものを撮ろうと、常に新しいアイデアで写真を撮っていたと記憶する。
自分の中でcharacterというコンセプトが理解できてからは、軸がぶれることなく、自分の頭や胸の中にあるものを写真という手段で表現できる様になってきた。自分のスタイルやアイデアが従来から世の中にあったものであろうと、新しいものであろうと、気にしなくなってきた。そんなことはどうでもいい。自分が心を動かされる作品を創造し、人がそれにcharacterを感じ、共感してもらえれば、それが最高の喜びである。』