レンズやライティングによる風合いの違い

ポートレート撮影は基本的には表現したい事を最初に設定し、次にターゲットイメージを設定。

それにあった、キャスティング、衣装、ヘアメイク、大道具、小道具を事前に、そして現場ではライティング、背景、レンズ選び、露出設定、表情、ポージング等で風合いをコントロールし、ターゲットイメージに近づけていく。

私はシンプルな画が好き。被写体がシンプルであれば、合致する風合いの幅が広がり、色んなレンズやライトやカメラの設定を行い、風合いを依頼者に提案していく事もできる。

なるほど、今回の衣装は色んな風合いが似合っている。ハードとソフトが似合うパタンは珍しい。

最初にごくごくスタンダードなレンズ/ライティング/露出設定で撮影してみた。70-200mm、24-70mmで比較的絞って撮影してみた。

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次に少し強めで陰影のある雰囲気で撮影してみた。よくヨーロッパ系のファッション雑誌に出て来る画。この場合は白い服でもディテールが表現されるので、布の素材感が表現され、全体的にクールに写る。モデルの方も表情やポーズをコントロールしてくれている。
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次に、全体的に柔らかい風合いにしてみた。スタジオの光を回し、飛び気味にして且つ、フィルターを使用せずにフォギーな雰囲気にしてみた。
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その次はF1.2の明るいレンズを開放にして微妙に環境光を拾わせてクラシックな風合いにして撮影してみた。
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最後はシフトレンズを使用して、1点にしかピンが合っていない溶ける様な風合いで撮影。一見、特殊な雰囲気だが、逆に、本当は人の眼は人を見る際にその部分しか見ておらず、それ以外の部分はピントを合わせていないので、一番、人の眼に忠実な表現では無いかと思ってしまう。
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レンズやカメラ設定、ライティングを変える毎にモデルの方にデータを見せながら撮影を進めたが、何も説明しなくても風合いの違いにびっくりされていた。そんな微妙な風合いの差が分からないモデルが多い中、全然違いますねというコメントがあった。白々しいポージングや表情をせずに微妙に表現するタイプの素敵なモデルだった。

今回は一部の写真の紹介だったが、かなり微妙にカメラ側でも設定を変え、バリエーションのある画を撮影できた。依頼者の方がどの風合いの写真を選ばれるのだろうか。

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