ブロカントな鉢つくり

少しだけ春めいて来た。それでも4月にすると寒く、通常は気候の変化の前置きは3月中旬からお彼岸に掛けての時期なのだが。

寒い季節が終わるとギャラリー前の植物も手入れしなければという気分になって来た。それは単なる美化という事ではなく、コンセプトを統一したかったからという理由もある。以前は植物もアイビーもあれば、日本っぽいキンカン、亜熱帯やアフリカをイメージするストレチアやヤシあり。また、鉢の色もマチマチ。例えば、私の中ではオレンジ色のテラコッタはスペインや南米をイメージする。オフホワイトはフランス。紺や焦げ茶は日本。艶のあるモノトーンはニューヨークの様な都会っぽいイメージ。いつもクリエイティブワークをする際にイメージを具現化する為にはコンセプトを貫く様にと説いている自分に反していた。

まずは受け皿となる為のテラコッタの色や風合いの統一を図ってみた。購入すれば簡単な事だが、以前からあるものを粗末にせずに活用してみた。4月3日のブログにも書いたが、古いものを大事にするブロカントスタイルにインテリアもエクステリアもコンセプトを統一してみた。ギャラリーもスタジオも基本は白をベースにしている。

今回も自分でテラコッタの風合い表現に励んでみた。

様々な色の鉢をオフホワイトのペンキで塗ってみた。そして、ヤスリで磨き、特にエッジは基の色を出して古いテキスチャーを表現した。しかし、そこで気付いたのは、いくらオフホワイトでも、鉢に塗るとかなり真っ白になってしまう。そこで、素手で土を微妙に湿らせて塗ってみた。そして布で上手く拭き取りをするとパーフェクトなまでに古い使いこなされた様なテキスチャーが表現できた。更に一瞬にして数十年使用した感を出す為に考えついたのは、ペンキに石灰やセメントを混ぜて塗ると、ザラザラ感が。後半に塗った鉢はとてもしっくりとブロカントの雰囲気やテキスチャーが表現できた。

上の写真のものは更に凝って工数を加えた。元々、紺色だった鉢にチューブの壁の割れ直しのパテで「 SODA PLAZA」と書き、カメラのイラストを描いてみた。乾燥してからピンクのペンキを塗り乾燥させ、オフホワイトのペンキを塗り乾燥させ、ヤスリで削り、下のピンク色が多少見えて来る様にし、最後に土を塗って拭き取った。

そして、鉢が出来上がったので、植物を植えてみる事にした。アイビー系、ハーブ系、ラベンダー、オリーブ、あじさい等でイメージやコンセプトを統一してみた。



鉢作りや鉢植え作業をしている間に多くの人が立ち止まっていかれ、「何をしているのですが」とよく尋ねられた。普段は眉間に皺をよせてアトリエに引きこもり、macに向かってフォトショップ作業をしている自分だが、地元の方々とコミュニケーションがとれ、とてもいい機会となった。作業を通して季節の変化を感じとった。

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