ポートレート撮影のプライベートレッスン

少人数制のグループを対象としたポートレートワークショップは今年の5月で3年目を迎える。

一方、プライベートレッスンは随時、依頼があれば行っている。過去からプライベートレッスンは色んな要望に応じて開催してきた。例えば、スポーツ分野でのプロのフォトグラファーが、活躍のフィールドを拡充する為にポートレート撮影のエッセンスを習得したいという方、地方の写真館オーナーの息子さんが家業を継承する為、趣味のスナップ撮影をレベルアップしたいという方、着物撮影の決まり事や着物の型モノ撮影の習得をしたい方、社内で撮影を内製化するので必要な機材投資について知りたい等様々だった。基本的にはポートレートの分野に限定しているが、インターネットでのネット通販を始めるので衣類の撮り方を習得したいという方もいらっしゃった。回数も1回のみの方から定期的に継続されている方まで様々。

趣味のポートレート撮影を極めたいという事で1〜2ヶ月毎に定期的に受講されている方がいらっしゃる。私の過去の受講生で一番、上達が速い方。露出設定やライティング等の技術的な項目でも決して暗記せずに、原理原則を理解されるので、応用が効き、学んだ事が累積していくのが感じられる。初回ですぐにヒストグラムを読み、求める画をターゲットとした露出設定を的確に行われた。

私も人に技術を伝える際に、まずは主旨、そして大きな箇所からディテールへと体系的に説明する事にしている。論理的思考が苦手であったり、尖った自分が好きな方やイメージの世界で生きている方にとっては苦痛かもしれない。しかし、一度、体系的に原則を理解できると応用が効く。露出などややこしい事かもしれないが、語学でいう文法や動詞の変化の様なものであり、避けては通れないもの。

その方は、もう結構実力が付いて来たと判断したので、本人の希望と私の判断で、先日、プロのモデルの方と一緒にモデル撮影のレッスンを実施した。

ポートレート撮影をする際にテーマが無いと、ただ撮っているだけでレッスンというよりも撮影会の様に終わってしまう。それでも慣れるという意味では収穫はあるのだが。「自分の想いをカタチにして人に伝える」為には、モデルの方の雰囲気、服装、ライティング、表情、ポージング等を一致させる事が基本。

ターゲットイメージをカタチにするからと言って、人物撮影をする際に最初からポーズや表情を注文付けると被写体の個性が見れない。自分の感性のフレーム内でのアウトプットになってしまうので、私は最初は自由に動いて頂く様にしている。シーンやライティングによって雰囲気やイメージはモデルと共有しておくべき。使用レンズやカメラの角度によってどの様に写るかを撮り手だけでなく、モデルの方にも知ってもらうと、互いに気付く事も出て来るので、いいアウトプットに繋がっていくと思う。

私も数枚、撮影してみた。まずは外でカジュアルに撮影。

スタジオに入り、ストロボライティングを変えながら、各々のライティングによって表現したい事の違いをモデルの方にも伝え、撮影してみた。勘のいいモデルの方だったので、直ぐに表現してもらえた。作品撮りというよりも、あくまでも撮影エクササイズなので、構図、ポーズ、被写体との位置関係等々を説明しながらワークショップを行った。


ワークショップの状況写真も撮影してみた。

撮影したものはモデルの方を含めて見ながら、講評しながらレッスンを進める事ができた。いい機会だったと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です