作品撮り「雲の上の蚕」

先月、6月中旬に当社スタジオにて作品撮りを行いました。

タイトルは「雲の上の蚕」で、イメージは雲の上にいる様な柔らかい雰囲気の中、強い意志が感じられるヘアメイクを施しました。特に眉を特徴的に、立体的に仕上げてもらいました。(メイクアップアーティスト:Yuki Haba)

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衣装は布を巻いただけのシンプルなものです。布のテキスチャー X 光のテキスチャーを雲のイメージに合わせ、白をベースに画作りをしていきました。
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送風機を使用して、風を演出してみました。
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私は背景の風合いをコントロールする際には、バックペーパー(カラーペーパー)、布(モスリン等)、カンバスロール(画や柄を描いたもの)等を使用しての撮影は好きではありません。被写体へのライティングは一定のままで背景の色を背景の紙、布等で変えるのは、あまりにも安易であり、光をコントロールするフォトグラファーであれば、光で色、風合い、そしてテキスチャーや柄までを白ホリゾント(白い壁)で表現するべきだと考えます。その方が自然なグラデーションであり、写真としてのバリューが高いと思います。そもそもバックペーパーの前に被写体を立たせるという発想自体に時として滑稽さを感じる事があります。今回は雲の風合いを光で表現し、少し“どんより”とした世界観を演出してみました。

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そして床の上でも撮ってみました。
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イメージ、テーマという作品コンセプトをぶらさない為、私はレンズの系統、F値、メインライト、サブライトはシーンバリエーションがあっても変えない事にしています。風合いや雰囲気が変ってしまうからです。

今回も熱を持たないコードレスストロボのProfoto B1を使用し、ユニークなアクセサリーを使用しました。メインライトはスモールフレネル、サブライトとして髪の毛にランタン、そしてアクセントライトとしてはテキスチャーをモデル及び背面にスモールスポット+オリジナルGOBO(GO Before Optics)を使用しました。本来フレネルは灯台で使用するライトであり、強くで陰影の出るアクセサリーです。一見、作品イメージであるフワッとした感じとは矛盾しそうですが、あえて蚕の力強さを表現し、且つ、被写体シャドーを被写体の横に強調して出さずに、85mm F1.2のレンズを開放での使用、スポットで雲のテキスチャーライト、そして、送風機を使用して柔らかさを表現してみました。

鏡を使用して布とミックスして撮影してみました。ここでも雲の間からの太陽光をイメージして髪の毛や顔に柄付きのスポットライトを当ててみました。
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クローズアップでメイクを強調して表現しました。
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最後にモデルとメイクさん達と一緒に “お疲れさん” ショットを撮り、修了しました。
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私は極力、モデルに対してはポーズ注文を物理的にはしない様にしています。今回のモデルの Nonoka Yamamoto (サトルジャパン所属)さんは勘が良く、イメージと設定を伝えると表情とポーズを逆算して表現してくれました。

作品撮りは拘るスタッフ(今回はメイク、モデル、布を衣装の様に巻いてもらった着付師、フォトグラファー)のイメージを統一しておく事が重要です。タイトル通りのイメージになりました。

関係者の皆様、お疲れさまでした。有難うございました。

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