シネマライクなカップル写真

友人カップルをモデルにして共同で、カップルでの作品撮りを行いました。

設定は1940年代で、男性と女性の駆け引きと溶け合っていくプロセスをシネマライクにコントラストの強いモノクロで写真表現してみました。事前に作品のコンセプト、風合い、設定等をモデルと共有しておいたので、撮影現場で「どうするの?」「どうしよう!汗」というのが無く、進めていく事ができました。

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まずは、スタジオの外スペースにての撮影。男性の視線を浴びながらも女性は振り向く事なく、前を向いたままです。

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撮影時間帯は昼下がりにもかかわらず、HSS(ハイスピードシンクロ)をさせ、夜に街灯の光が当たっている様な風合いを作りました。スポット系のライトで、植物の影を写真のテキスチャーにしながら被写体を照らしてみました。毎回、昼間の明るい場所で HSSをスポットライトで行う場合は指向性が強いので、どこに当たっているのかが分かりづらく、かなり設定が難しいです。また、絵になる植物の影を作るには、植物の角度の調整を何度かテストをして確認作業をしていくしか方法はありません。

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屋外であってもパソコンとカメラの無線LAN環境で随時に画像を確認しながら撮影を進めました。モデルのお二人はさぞ、寒かったと思います。ライトが決まり本番直前までコートを着ていただきました。

次はスタジオに入って、私が最も好きなシンプルな画づくりの写真撮影を行いました。シンプルな写真ほどライティング力、被写体力、構図力が試されている様な気がするので、撮影現場では身を引きしめて臨みました。今回の作品では、コントラストのあるモノクロ写真にしたかったので、たとえモノクロにするにも拘らず、衣装も黒を基調にしました。

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今回の作品では陰影を重視しました。男性が影のみの出演の写真を撮影してみました。

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各々のスポットライトが各々の被写体を照らし、シャドー部を起こしたい場合もスポットで部分的に照らしてみました。

次に更に部分的なスポットライトで女性の顔の一部のみにライトを当てて、独特な雰囲気の写真にしてみました。そして男性はぼんやりと光の中で、常に女性を見つめています。

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この光と影を重視したシンプルな画づくりが好きです。

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女性の顔半分のみに光をあてる為、更にスポットライトの微妙な設定をしてみました。Profoto製スモールスポットというアクセサリーを使用し、オリジナルの GOB0 (光の遮断板)を入れ込んで細長い光を作っています。この機材はディスコン(生産販売終了)となっているので、このライティングは価値が上がるでしょう。笑)

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かなり複雑なポジショニングとライティングになっています。各々のストロボの位置、角度、強さと撮影する際の映り込みの無いスペース作り等、そして全体の光のバランスが重要です。頭の中でターゲットイメージを作ってしまい、優先項目(レンズ選び → メインライト → モデルのポジショニング → サブライト → 全ストロボのバランス)から順番に一つづつ作っていくしかありません。しかも複数の被写体なので、一人の撮影よりライティング面と構図面で多少、複雑になって来ます。シンプルな画づくりをするには複雑な撮影環境と機材設定が必要なのでしょうか。笑)

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男性の想いが女性に徐々に伝わっていく様子を表現していきました。全体的に女性にスポットを当て、女性中心に撮影していますが、今度は男性を大きく全面にしてフレームを作りました。

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そして、二人の距離がどんどんと近づいていきます。

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影を少し強めに壁へ出したいので、被写体へのメインライトはグリッド+バーンドアにしました。

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そして、ベッドの影も演出として表現したいので、スポットライトをベッドの装飾部分に当ててみました。このサブライトはProfoto製のスモールフレネルにバーンドアを取り付けた世界に1台しかないライトです。通常のスポットライトは指向性が固定なので、光の照射範囲を調整する際はストロボと被写体の距離を前後にするしかありません。しかし、このアクセサリーは光の範囲をストロボの位置を動かさなくてもレバーで調整できる優れモノです。しかも、前述のスモールスポット同様、ディスコンになった製品なので、もう手に入らず、希少価値があるライティングでしょう。笑)

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そして、最後はハッピーエンドで二人は結ばれていきました。

前述のスモールスポットにGOBOを入れずにそのままで壁打ちして、影絵を表現しました。

そして、最後は「お疲れ様写真」です。

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撮影に使用したスポットライトを演出にモデルのお二人と撮影をしてみました。このメインライトは何を使用したのか忘れました。きちんんと機材の陰影が出て、周辺光量が落ちているので、おそらくグリッドをつけて撮ったのでしょう。

ウエディングや結婚記念日の撮影はよく行なっていますが、カップルのモデルで撮影する機会はあまり無いので、通常のアンブレラを使用しての柔らかい写真よりも、構図やデザイン、そしてストーリーを重視したモノクロのシネマライクな風合いの作品に挑戦してみました。

事前に頭の中でターゲットイメージを作って撮影に臨みましたが、やはりそれに加え、現場でのモデル2人の動きを見ているとアドリブでアイデアが生まれました。

シンプルな画づくりに映える被写体力のある素敵なお二人でした。

モデル:鈴木恵梨佳さん&DSKさんカップル

追伸:「9月頃に打ち合わせをしてから随分、時間が経ってしまいましたが、アイデアが降りてきたので、実現できて良かったです。撮影現場では私はひたすらライティングの準備や設営ばかりやっていて、ただただ職人の様に撮影に徹していましたので、雑談もあまりできなかった事が心残りです。が、像が出来上がっていく楽しさを共有できました。ありがとうございました。また、お疲れ様でした。素敵でした。」

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 ”シネマライクポートレート” サイト:http://www.hollywood-portrait.studio

映画の様な風合いで撮影します。ストーリーのあるカップルを撮影をしましょう。
(一人でも撮影できます。)
お問い合わせ、お申し込みは上記リンクにて。

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