ヘアーショーとコンサート

昨日、本日(3月3日、4日)の2日間、日本美容専門学校のヘアーショー (Graduation Stage 2010)の撮影を行った。

今回は動画撮影だったので、3台のビデオカメラと1台のスチール(ビデオ挿入用)とでチームを組んで行った。私はスチールを担当したが、今回は刻々と変化するステージのライティングに対応することと、ライトを考慮してのシャッタータイミング。従来、私はスタジオポートレートのみならず、屋内外問わずのイベントスナップ(舞台、スポーツ、報道系、ポートレート等)も100%マニュアルで撮影してきた。しかし、リハーサルでのライティングと出演者のフォーメーションやスピードを考えると不可能だと気づいた。レンズ開放にして、ISOを上げて、絞り優先で撮影した。それでも難しかったのは、カメラは服の色や生地を読めないということ。たとえ、絞り優先モードであってもピントを合わした箇所と時点でのカメラアジャストであり、絹系の白い衣装には苦労した。結論、初日のリハーサルでのテストシューティングで、その問題は解決した。多分、いきなり本番撮影だと最初の方は苦戦したに違いない。今回の撮影目的はあくまでも動画への挿入用なので、16 : 9 の画面をイメージしながら撮影に臨んだ。

プログラムはヘアーショーのみならず、毎年、音楽美学特別授業の一環での芸術鑑賞としてコンサートが開催される。今回はギターとカホンによるヒュージョンの世界ということで、ギタリストとパーカッショニスタとのコラボレーション。スペインで音楽修行をし、現在は米国オレゴン州ポートランドを拠点としてフラメンコ&ラテンジャズの演奏を行うギタリストのToshi Onizukaさん、そして、長谷川きよし氏、葉加瀬太郎氏等と共演するパーカッションプレイヤーの第一人者の仙道さおりさん。

100304a私の主観だが、ジプシーキングを彷彿とさせるラテンサウンド。オリジナル曲があるのが嬉しい。私のブログにも何度も記載しているが、私の基本的発想は音楽に関わらず、あらゆる芸術や経済活動も含めて、人生、生き方の全てはオリジナル、創造することを評価する。さすが、スペイン生活、アメリカ生活が長いのか、ToshiさんんのサウンドにはCORAZONを感じる。リハーサル時、終了後にもお話をさせて頂いたが、とても温和で気さくで素敵な方。

100304b仙道さおりさんからは、カホンの歴史を伺った。コミュニケーション手段として箱や缶を叩いていたというアフリカの悲しい奴隷時代の歴史とそれをプラスに転嫁した彼らの素敵な行動についての話に感銘した。大変、力強く、体にしみるサウンドだった。笑顔でユーモアーがある美しい方で、どこからあのリズムやエネルギーが出るのだろうか。

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普段は一緒に演奏していなくても、音楽家同士、感性やコラソンが化学反応を起こし、すぐに溶け合う様にすばらしコラボレーションができるのだろう。私は演奏が終わると思わず拍手をした。直後に思ったのは、「撮影者がカメラを置いて拍手して、どないすんねん!」

その後、学生達によるヘアーショーが始まった。最初の教務の方のお話にまた、感銘した。学校の考え方として、美容師は技術のみならず、多くの芸術に触れ、感性を養い、文化と幅広い教養が必要であるということ。全く同感。文化や教養の香りがしない方と接しても面白くない。私はお客の立場では、ハウツーのみで髪をカットしてもらうよりも、文化や教養のバックグランドを持った美容師にヘアスタイルを創造してもらいたい。そして、ヘアーショーを創り上げていくことは学生達が学校で学んだ技術のみならず、幼少の頃からの家庭教育の中で育まれた感性を発揮する場であるというお話も、もっともだと思った。

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美容師の国家試験や卒業前の多忙な時期に、学生自身が、企画、準備、出演してショーを創造することは大変だったと思う。皆の努力に敬意を表す。

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