アメリカンフットボールの動画

先日の5月2日に川崎球場に社会人アメリカンフットボール Xリーグの試合に行った。ブルザイズ東京 vs パイレーツで、パールボウルのトーナメント戦。

5D mk2で動画撮影を行った。自分なりに課題をいくつか設定し、撮影の臨んだ。

まずは、x2の倍率のExtenderが使用できるかどうか。どの程度の画像劣化が起こるか。以前に屋内のショーのスチール撮影の際に、これを使用し、画像劣化が激しく、全く該当写真が使い物にならなかったことがある。それ以来、使用したことがなかった。やはり、高いレンズにはそれなりの理由があるので仕方無いと思っていた。

しかし、前後左右に動き回るスポーツの動画撮影で単焦点の超望遠を使用することは適当ではない。そして、100 – 400 mm を購入して使用しようかとも考えたが、このレンズはズーム操作は前後にスライド式でありスムーズではなく、スチール向きであり、微妙な動きも気になる動画向きにデザインされていない。

結論、 70 – 200 mm にx2 Extenderを付けることにした。日中の晴天の日には全く画像劣化がなかった。それどころか、スチールに比べシャッタースピードが極端に遅い動画撮影では、フィルターの代わりにも一役買った。

次に、日中に白いユニフォームを動画撮影をする際の露出も気になっていた。ビューファインダーで見るのと、実際の録画はどの程度異なるのか。色付きのユニフォームと白ユニフォームが炎天下で、露出設定する難易度を知りたかった。

これも感覚的にクリアした。ただ、一眼レフの動画撮影の場合、シャッタースピードは一定にする必要があるので、後は、絞りかISOのいずれかで調整する必要がある。フィルターを使用しなければ。

しかし、動画の録画中に一目盛りを変更すると、色がカクっと変化するのが気になる。もっとスムーズに行かないか。よって、録画中に設定を変えることは好ましくない。試合の最初と最後では太陽の明るさは変化する。また、太陽が雲に入ったり、出たりとすると露出設定が著しく異なる。

流れのあるスポーツ、例えばサッカーの様な場合は露出設定を途中で動かす必要があるので、色合いの変化が気になるだろう。その点、アメリカンフットボールの場合は1プレー毎に切ることができるので、選手がハドルをしている最中に露出とピント合わせることができる。私は露出は白いユニフォーム、ピントは審判が置いたボールに一時的に合わせることにしている。

3つ目の課題は、狭義でのカメラワーク。選手やボールを追う事ができるか。引きで撮影すれば、なんら問題はない。しかし、そんな安全な構図は魅力がない。フォーメーションやプレーを分析したいフリークには適切で別の話だが、画像の迫力を追求したいなら、寄って迫力ある画像を撮影したい。

ランニングプレーに関しては以前からクリアしていた。フェイクに引っかからない様に気を付ければいい。しかし、ランプレーであっても押さえておくことはRBの位置。つまりフォーメーション。QBのみを接写していると、ハンドオフした際にRBの動きのベクトルが読めずに、ディフェンスの密集の中でボールキャリアを見失ってしまう。

問題はパスプレー。QBを接写していてボールを投げてから、空中のボールを追いかけ、レシーバーに接写するのは至難の技。なぜならレシーバーは一人ではない。4、5人のレシーバーが、フィールドの横から見て、手前か奥のどこから出てくるか分からない。また、ショートなのかロングパスなのかも分からない。

まず、パスシチュエーションを読む事。例えば3rd down longの場合や、ショットガンフォーメーションを行った場合、レシーバーが極端に多い場合等はパスをケアする。

全体のフォーメーションを最初に引きで確認し、その後、QBに寄って行く。パスを投げる動作に入ると、少しずつ引く。その際、モーションが大きいとロングパスをケア。モーションが速いとショートパスをケア。

ショートの場合、ビューの中レシーバーを入れて、ボールが飛んだ方向のレシーバーにすかさず寄って行く。

ロングパスの場合は、レシーバーはビューの外になる。よって、QBが投げると空中でボールを見失わず追って行くしかない。その先にレシーバーがいる訳なので。

過去の失敗例としは、QBがパスを投げたので、その方向にいたレシーバーに速くカメラを向け過ぎ、実際にはディフェンスにボールをカットされ、それをQBがそのまま受け取って走った際。珍プレーで場内は湧いているが、ビューの後方で何が起こっているのか全く分からなかった。

纏めると、パスはプレーを予測すること。寄り、引き、寄りを繰り返して、ボールを追って行く事。

但し、この際も注意することはスチール撮影と異なり、急なカメラの振りは、動画の場合は残像ばかりが目立つので、決して行うべきではないということ。ズーム、カメラの振りはあくまでもスムーズにする。

まだまだ、このスポーツの撮影には課題が満載。

オフェンスプレーは少しずつコツが分かってきた。より、困難極まりないのが、ディフェンスプレーの撮影。

ランニングプレーのディフェンス撮影の場合は、ディフェンスラインとLBをビューの中に入れておけば、7割は平凡な画像であれば、撮れることが多い。残りの3割はディフェンスバックが前に上がってきた場合。ビューの外からのプレーヤーは予測が付かない。

さらに困難なのはパスディフェンスの撮影。それも寄りでファインプレーの徹底的旬かを狙うなら、マンツーマンで狙わなければならない。が、これは読みと確率の問題。これを行うと、1カメ撮影の場合は、それ以外のシーンは全て捨てを覚悟。

それでもすごい画像を狙いたい場合は、確率の精度を高める為には読みしかない。まずはパスシチュエーションを読むこと。プレーの傾向として、広いサイドか狭いサイドのどちらが多いか。どのターゲットレシーバーが好調か。それらが、動きのいいDBと一致すると確率は多少はアップするだろう。理論値的には。

アメリカンフットボールの日本でのテレビ中継の場合、引き中心だが、本場アメリカの放送は、選手全員22名にマンツーマンでカメラが追っているのではないかと思うことが多い。ボールの位置と全然関係ない、ラインマンのブロックや、ボールが飛んでこないレシーバーとDBの駆け引き等が中継されるのには驚く。

それを、1カメで一人で撮影するのは不可能かもしれないが、そんな中でも、カメラワークの上手い下手はあると思う。

スポーツの動画撮影は状況判断能力、動体視力のいいトレーニングになりそう。

もし、今度、撮影する機会があれば、ディフェンス撮影の精度を上げて行きたい。

ここまで、このブログを読まれた方は、ゼロ人だと予測する。私自身も、二度と読み返しはしたくない。

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