ぼけてぶれた写真

先日、「ぼけてぶれた写真を撮って下さい」というオーダーがあった。

私も最初、イメージが湧かなかったので、オーダーした人とイメージを合わす為に質問をしていった。
「ぼかすって言うのは、どこかにピンが あっていて、後ろがぼけた写真ですか」と良くあるパタンかと思い尋ねたところ、「いえ、全部ボケた写真です」と。

次に、「本当にぶれていていいのですか」と保守的な質問をしたところ、「はい、ぶれて欲しいです」と。

一般的には、ぼけてぶれた写真は失敗写真。狙いで能動的であれば、『ぼかして、ぶらした写真』という事だなと思い、色々と工夫しながら撮影してみた。撮影データをその場で見せて確認しながら撮影を進めていったので、イメージを一致させる事だできた。

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イメージをカタチにしていくには、技術的なライティングやカメラ設定のみならず、全体の雰囲気を作っていくには被写体であるモデルにもイメージを共有させる必要がある。作品の世界観、コンセプト、ストーリーを伝え、頭にイメージを作ってもらったので、多く注文を付ける事なく、自主的にポーズや表情を操ってもらったので、不自然にならなく撮影が進んだ。

通常、ぼかした写真とは明るいレンズで1点ピントで撮影したり、ぶらした写真はスポーツ等の動きのある被写体で表現したりだったが、止まった被写体でぶらした事は最近はあまりなかったので、新鮮だった。

と記載しているうちに、10年近く前にデジタルカメラを初めて導入した頃によく、色んな方法で試行錯誤しながら面白い画作りをしながら、作品撮りをしていた頃を思い出した。

今回、オーダーされた方の独創性に敬意を感じた。

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