Profoto B1(ストロボ) 導入

珍しく撮影機材について書いてみる。各々の世界観から生み出すアウトプットこそが重要であり、フォトグラファーにとっては撮影機材はツール。画家に例えると撮影機材って筆や絵具の様なものだろう。

タイトルに「Profoto B1 導入」とあるが、導入したのは今年の6月頃なので、何ら新しい話ではなく、半年間使用して何が作品に影響を与えたかという様な観点で記載してみたい。

従来のストロボと何が違うのか。一言でいう特長は、電源コードを使用せずに、電池で作動する事。

そもそも導入のきっかけは、12年前から取組んで来たコードレス化。2002年にキヤノン製のデジタル一眼レフ(EOS-1Ds)の導入をきっかけに一切、フィルムを使用せずにデジタルワークフローにガラリと切換えた。しかしその当時はカメラからはストロボケーブル、電源ケーブル、パソコンへ画像転送する為にUSBケーブルとケーブルだらけだった。上から撮影しようと脚立に乗って撮影しようとすると、ケーブルが外れてストロボが飛ばなかったり、撮影データがパソコンに転送されなかったりし、撮影を中断せざるを得なかった事も多々あった。モデルやクライアントと気まずい間があった。上手く「間」を埋める為のトーク力はその頃に身に付いたかもしれないが。

ストロボはトランスミッターの送受信機を利用しコードレスに。電池の持ちも良化し電源コードは使用しなくなり、パソコンへの画像転送も無線LANトランスミッター導入でコードレスに。もう10年くらい前にカメラのコードレス化は終わり、手持ちで、ケーブルに物理的にも発想も拘束される事なく撮影する環境になっていた。しかし、最後に残ったのはストロボの電源ケーブル。

電源ケーブルがあると、被写体の移動に気を使い、また、ライティングを左右変えたい時などにも電源コンセントの位置、ケーブルの長さ等が気になり、変更時間の余分な「間」ができ、流れ重視の為に妥協せざるを得ない場合も多々あった。

バッテリ使用のProfotoのB1導入により、長年のコードレス化が完遂し、ケーブルさばきによる物理的、精神的な拘束が一切なくなり、創造性を発揮する事に集中するできた。

B1はバッテリー駆動なので、一般的にはフィールド撮影用として、屋外でもストロボが使えるというのが売りだが、スタジオでも充分に力を発揮する。

効用は、
1)被写体の移動、ストロボの移動がより気軽に容易になった。

2)低出力で撮影できる為、F1.2の明るいレンズをディフューザー等を使用しなくても、ストロボの距離を遠ざけたりすることも減り、自由に使いこなせる環境になった。また、環境光とのミックスが容易になって、作品の幅が広がった。

3)EOS-1DXの12コマ/秒の連写にも対応し、連写撮影が可能となった。しかもストロボケーブルを使用せずに。

4)従来のストロボは金属部分が熱くなり、気軽にタイムリーにアンブレラやソフトボックスを変更できなかった。B1はモデリングランプがLEDであり、熱を持たないので妥協無く、アクセサリー変更ができる。また、熱を持たないので、アシスタントが手持ちでストロボを扱える様になったので自由度が増した。

5)Profotoは豊富なアクセサリーがあり、デュフューザー、白黒カポック等を使用してライティングしなくても同様の効果がアクセサリーの変更で可能になった。変更するのも面倒なので、所有の6灯に各々のアクセサリーを付けて、撮影中の付け替えを最小限にした。

マイナス部分は、
1)バッテリーが切れると撮影できない。

2)モノブロック式(ヘッドと操作が一体)なので、調整が集中管理できなくなった。ヘッドライトは脚立に登ったり、ブームスタンドを降ろして調光しなければならない。

しかし、それらのマイナス部分は工夫によって、解決できる。
1)バッテリー充電に関しては集中管理できる様な工夫とルールを作った。

2)ヘッドライトの調光はmac book air + Air USBでアプリ操作が可能になった。このパソコンが従来のジェネレータの役割をしてくれる。スタジオの大きな重い箱の様な機材を置かなくて済む。

作風にどんな影響があったのだろうか。
1)明るいレンズ(f1.2)を活用して柔らかい風合いの撮影が気軽にできる様になった。

2)環境光とミックスして映画っぽく、絵画っぽく雰囲気のある風合いの撮影が気軽にできる様になった。これにより動画との連携撮影の際にも違和感がかなり軽減される。

3)ストロボ使用で連写ができ、動きのある瞬間を捉え易くなった。

4)デュフューザーやカポックをライティングを組み立てなくても、豊富なアクセサリーを使用するだけで、白ホリの背景を落とせモード系撮影が可能になった。

機材の力によって、撮影の効率化が図れ、より創造性に集中できる環境になった。これで作品がダサければ、機材による制限では無く、自分の感性の問題であり、言い訳ができない環境も整った。

この機材はファームウェアのアップデートにより進化していくので、また機会があれば、作風の進化についてブログってみる。

Profoto B1 のweb site
http://profoto.com/ja/products/off-camera-flash/b1-off-camera-flash/item/b1-500-airttl

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